事前に決めるべき項目とは?(連絡先、保管物、整理基準)
生前予約を進める際には、以下の項目を事前に決定しておくことが重要です。これにより、遺族の負担を軽減し、トラブルを未然に防ぐことができます。
1.緊急連絡先の明確化
万が一の際に連絡を取るべき人物や機関をリストアップしておきます。これには、家族、親族、友人、医療機関、行政機関などが含まれます。
2.保管物の所在と管理
重要な書類や貴重品の保管場所を明確にし、信頼できる人物に伝えておくことが大切です。これには、通帳、印鑑、保険証書、不動産の権利書などが含まれます。
3.整理基準の設定
遺品整理の際に、どのような基準で物品を処分するかを決めておくと、遺族の判断が容易になります。例えば、「衣類は3年以内に着用したもののみ保管」「書籍は〇〇冊まで残す」などの具体的な基準を設けます。
4.財産の分配方針
遺産の分配について、希望する方針を明確にしておくことで、相続人間のトラブルを避けることができます。遺言書の作成や、信託の活用も検討すると良いでしょう。
5.医療・介護の希望
延命治療の可否、介護施設の希望、臓器提供の意思など、医療や介護に関する希望を記録しておくことが重要です。これにより、本人の意思が尊重される医療・介護が提供されます。
これらの項目を事前に整理し、信頼できる人物と共有することで、安心して生前予約を進めることができます。
死後事務委任契約とは何か?(信頼できる契約のために)
死後事務委任契約は、本人が亡くなった後の事務手続きを、信頼できる第三者に委任する契約です。これにより、遺族の負担を軽減し、本人の意思を尊重した対応が可能となります。
1.契約の目的
死後事務委任契約は、以下のような事務手続きを委任することを目的としています。
- 葬儀や火葬の手配
- 納骨や散骨の手続き
- 死亡届の提出
- 公共料金や各種契約の解約
- 遺品整理や住居の明け渡し
- SNSやメールアカウントの削除
2.契約の形式
契約は、公正証書で作成することが推奨されます。公正証書は、公証人が作成する公的な文書であり、法的な証明力が高く、トラブルを防ぐ効果があります。
3.受任者の選定
受任者は、信頼できる人物や専門家(行政書士など)を選定します。行政書士は、契約書の作成や手続きの代行など、法的なサポートを提供することができます。
4.契約内容の明確化
契約書には、委任する事務の内容、報酬の支払い方法、契約の解除条件などを明確に記載します。これにより、受任者と委任者の間での誤解を防ぎます。
5.契約の保管と共有
契約書は、信頼できる場所に保管し、必要に応じて関係者と共有します。これにより、万が一の際にスムーズな対応が可能となります。
死後事務委任契約を締結することで、本人の意思を尊重した対応が可能となり、遺族の負担を軽減することができます。